乳がんの抗がん剤による「しびれ」はいつまで続くの?

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乳がんの抗がん剤による「しびれ」はいつまで続くの?しびれ
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【よく読まれている記事】
>>私がリンパ浮腫を発症してしまったきっかけ

私は、物をよく落とすんです。
そそっかしいので以前から落としてはいましたが、先日なんて、連続で8回もあらゆるものを落としてしまいました。

特に台所仕事中が多くて、野菜や、箸や、お玉じゃくし・・・
包丁は以前から何度も落としていたし、ひどい時は鍋も落とす!

おかげでつまみ食いをおねだりに来ていた猫が、私が料理しているときは寄り付かなくなってしまいました(笑)

そりゃそうですよね・・・
ひどいめに遭っちゃうもんね。

原因は、リンパ浮腫の「弾圧グローブ」と、さらにその上から使い捨ての「ビニール手袋」をして料理しているからだろうな・・・

と、思っていたのですが、グローブを着けてない素手のときもバンバン落としていることに気が付きました。

どうもそれだけではないようです。

抗がん剤 しびれ 物を落とす

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抗がん剤の副作用としての手足の「しびれ」

気になるほどではありませんが、抗がん剤の副作用としての手足の「しびれ」が未だ残ってるんです。

私の場合、おそらくこのしびれが原因で指先の感覚が鈍いから、物を落とすのだと思います。

「しびれ」といっても、正座したあとの痛い感じの、チクチクしたしびれではなく、冷たいものを触った後みたいなジーンとした「しびれ」です。

子供のころ、雪合戦をした後に温かい部屋に入ると、手が真っ赤になってジーンとしびれた経験ありませんか? ちょうどあんな感じです。

なので、痛くはないのであまり気にはならないのですが、物を触った感触が鈍いので、色んなものを落としてしまうのです。

これは足もそう同じです。

寂しいことに、温かいお風呂に入っても足先が温まっている感触がありません。
もう慣れてしまいましたが、考えてみるとちょっぴり寂しいです。
全身お風呂で温まる感じが味わえないということなので。

身体は温かいのに手足だけ冷たいままなので、変ですよね。

で、なぜこんな「しびれ」があるのかというと、私が受けた抗がん剤治療はTC療法というものなのですが、その治療で使ったドセタキセルの副作用だからです。

ドセタキセルという薬は抹消神経障害を起こしやすく、その症状のひとつとしてしびれがあることで知られています。
抗がん剤なので、副作用があることは織り込み済みです。
我慢できないほどではないですが、なんとなく煩わしいこの「しびれ」。

しびれる範囲は、だいたい、手袋と靴下を着ける範囲がしびれます。

ではなぜ手足部分がしびれるのでしょうか。
それには末梢神経のルートの長さが関係しています。
末梢神経は脊髄の中、あるいはその周辺から出て、全身の隅々まで張り巡らされています。

下のイラストを頭に入れてイメージしてください。
末梢神経はこんな風に全身に張り巡らされています。末梢神経は、中枢神経(脳と脊髄です)から体の各方面へ延びる神経を指します。

末梢神経

末梢神経系の軸索の長さが関係

抗がん剤の中にはがん細胞の「微小管」を攻撃して、がん細胞を抑制する作用のある薬があります。
末梢神経細胞の中にもこの「微小管」が存在しているのですが、抗がん剤の攻撃を受けてしまい障害が生じます。

脊髄から伸びる末梢神経は場所によって軸索の長さが異なるのですが、長いルートだそれだけ抗がん剤の攻撃を受ける範囲が広くなります。

従って身体の末端である、手や足に分布する抹消神経の軸索が他の箇所より長いため、症状が手足に出現しやすくなるということです。

末梢神経系がダメージを受けると

末梢神経がダメージを受けたり、働きに異常をおこした病態を「末梢神経障害」といいます。

運動神経が障害されると、「手や足の力が入らない」「物をよく落とす」「歩行や駆け足がうまくできない・つまづくことが多い」「椅子から立ち上がれない」「階段が登れない」などの症状が起こります。

感覚神経が障害されると「手や足がピリピリしびれる」「手や足がジンジンと痛む」「手や足の感覚がなくなる」などの感覚障害が起こります。

運動神経が障害されると、「手や足の力が入らない」「物をよく落とす」「歩行や駆け足がうまくできない・つまづくことが多い」「椅子から立ち上がれない」「階段が登れない」などの症状が起こります。

手足症候群はひどかった方です

特に命に別状があるとういうわけでもないので、基本は放置です。

この薬は抗がん剤治療中に手足症候群と呼ばれる症状が出ます。
確かに私も、火傷みたいなひりひり感とただれは辛かった方です。

そのころの話はこちらに書きましたのでよろしければお読みください。

乳がん治療薬:抗がん剤・化学療法による手足の障害、手足症候群の対策とケア – がん患者の皮膚と爪の症状、変化、しびれ、乾燥の予防法/副作用の対応
手足症候群 乳がんの化学療法中の副作用については回に分けて書きましたが、ちょっとざっくりすぎたので、副作用それぞれに絞っても詳しく書いていこうと思います。 何クールにこういう症状が出たよ、と、いうのはこちらをお読みいただければと思います。

ひりひりがやっと症状が収まったころに、しびれがやってきました。
抗がん剤直後は手足で物を触っている感覚があまりなくて(少しはある)、身長に物を持ったり、歩くのもかなりの確率で転びました。

はじめは10分の近所への散歩も勇気のいるものでした。
すぐに転ぶので。転んだら傷口から黴菌に感染してしまうと嫌なので、免疫力の弱まっているときは慎重に行動していましたっけ。

いつまで手足のしびれが続くのか

しびれ 抗がん剤治療 TC療法 ドセタキセルの副作用

しびれ。

まだ残ってます。ばりばり現役です(笑)

乳がんの抗がん剤治療が終わって7年めになりますが、未だにしびれが消えないんですよね・・・7年ですよ、7年!

もちろん弱まってはいますが、どちらかというと「しびれているのに慣れた」という感じです。

ちょっと気になったので、ネットで調べてみましたら、嫌な言葉を発見しました・・・

「しびれはずっと消えない場合もある」と、書いてある情報が!

うわ~そうなんだ・・・私もそのくちかもしれません。
もちろん、ただのしびれですし、命にかかわる問題ではありませんが、このまま物を落としまくって暮らすことになるということですね。

うーん・・・

高い食器は買わないでおこう!

しびれ症状緩和の方法

残念ながら、現在のところ抗がん剤による抹消神経障害を防ぐ有効な方法は確立されていないようです。

自分でできる「しびれ緩和」の努力としては次のようなものがあります。

  • 温かい手袋や靴下を身に着けて血液循環を改善させる
  • 寒いときは手袋や温かい靴下を履いて皮膚を露出しない
  • 手足をお湯で温める
  • マッサージで血行を良くする

日常生活での注意

  • 転びやすい靴は避ける(ハイヒールはやめておいた方が良いですよ)
  • 感覚が鈍くなっているので火傷に注意
  • 階段の昇り降りは手すりを使う
  • ペットボトルやビンの蓋はゴム手袋で開ける
    (私は100均でかったゴムの蓋開けグッズを愛用してます)

ちなみに、しびれ症状は薬で症状を和らげることはできるようです。

ただし、抗がん剤による末梢神経障害に対する治療法の有効性は立証されておらず、末梢神経障害の治療に使用される薬剤の中にはそれ自体に副作用がある場合もあるようですので、慎重に考えた方が良いかもです。

マッサージや鍼などの補完療法も利用されることもあります。 激痛に対してはオピオイド(麻薬性鎮痛剤)が必要になります。抗うつ薬や抗てんかん薬が試されることもあります。牛車腎気丸、芍薬甘草湯などの漢方薬もあります。

他にもいろいろあるようなので、しびれが辛い方は主治医に相談してみてくださいね。