乳がんのタイプと乳がんの進行度

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進行度乳がんのタイプ
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>>私がリンパ浮腫を発症してしまったきっかけ

昔、食道がんの方に、食道がんを克服した親類のケースを出して「あの方はこうだった、だからあなたも大丈夫ですよ」と。

私はその時は励ますつもりで言ったのですが、嫌な顔をされて
「なんかいろんなケースがあるそうだよ」と一言かえされたことを思い出しました。

あの時は気づかなかったけれど、あの意味が今ならわかります。

その後自分自身がが乳がんになったとき、周囲の人が言ってくれた言葉は概ねこんな言葉をかけてくれました。

「私の知り合いの〇〇さんも昔乳がんになったけど、今は元気だからあなたも大丈夫よ。」

でも乳がんは1種類じゃないんですよね。

皆同じような展開にはならないんです。
あの人がこうだからこの人もこう、というわけではないです。

昔言われた言葉の無意味さを、自分が乳がんになって初めて理解しました。

 

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乳がんはいろいろなタイプがある

最近、こんな質問を2つされることがありました。

「〇〇さんは乳がんで亡くなったけど、あれは若いから進行が早かったの?」

それしてもうひとつ
「今は医療が進んでるから全部おっぱいを取らなくても良いのに、知り合いはとっちゃったのよ」

病名は「乳がん」でも人によって全然違うので、皆同じじゃないんです。

総合的に判断

乳がんのタイプや進行度、大きさ、性質、転移の有無などを医師は総合判断して治療方針を立ててくれます。

良いタイプの乳がんなら経過は良好ですし、悪いタイプならその逆となります。

若い年齢の方に多いタイプの乳がんもあります。

必ずしも乳房を残せるわけではない

もちろん昔と今ではかなり医療技術が違うでしょうが「今は医療が進んでるからみんな乳房を残せる」というわけではないです。
腫瘍が小さくても乳房全部を切り取るケース、腫瘍が大きくても乳房を残せるケース、いろいろあります。

 

乳がんの進行度 T N M

「がん」はどのがんもそうですが、腫瘍(T)ができて、リンパ節(N)に転移し、全身に散って(M)いきます。
(血流に乗って転移することもあるそうです)

  • T 腫瘍の大きさ
  • N リンパ節転移の有無
  • M 骨、肺、肝臓、脳など遠隔転移

乳がんの病期分類

このT N Mよって病期が決まります。
一般に言われる分類だと、Iが早期、IVが末期、II、IIIが進行ガンとなります。

 

 

乳がんのタイプ

乳がんの種類はおおまかに5つに分類され、がん細胞の増殖のしかたや増殖能力の高さによって「ルミナルA」、「ルミナルB」、「ルミナルHER2」、「HER2陽性」、「トリプルネガティブ」の5つの種類に分けられます。

乳がんの増殖の仕方は2種類

乳がんの増殖の仕方は2種類あります。

  • 女性ホルモンによって増えるタイプ
  • HER2タンパクによって増えるタイプ

ただし、「女性ホルモン」「HER2(ハーツー)」両方が好きなタイプもあり、それを『ルミナルHER2 』と言います。
「女性ホルモン」「HER2」両方関係なく増殖するタイプ『トリプルネガティブ』もあります。

治療方針

いずれにせよ、治療方針は乳がんの性質によって総合的に判断し立てられます。

 

 

タイプの他、腫瘍の大きさも重要

どこかで乳房の模型をみたことありますでしょうか?
シリコンでできている乳房の模型の中に、しこりそっくりなものがいくつか入っていて、乳房を触診する練習に使われているものがあります。

それを触ってしこりを探してみましたが、まあ、難しい・・・。
本物の(つまり自分の)しこりを触ったことがある私ですが、あれで小さいしこりを含め全部のしこりを見つけることはできませんでした。

乳がんの大きさ

 

    • 0~1cm
      小さいので見つけるのは難しいです。
      この大きさで見つけられたらラッキー。
      抗がん剤は原則不要です。
    • 1~2cm
      ここまでが早期がんと言われます。
      ほとんどの人はこのくらいで見つけます。
      この大きさでも場合によっては抗がん剤が必要になることもあります。
    • 2~3cm
      ここからが進行がんと呼ばれます。
      乳房はまだ温存できる可能性が高いですが、抗がん剤が検討されます。
    • 3~5cm
      乳房の温存は難しくなります。
      抗がん剤治療を先にして、腫瘍を小さくしてから手術をする場合があります。
    • 5cm~
      ほとんどの場合、抗がん剤が先に先行されます。

 

乳がんの進行度とセンチネルリンパ節

リンパ節は風邪をひいたときなどに、首の付け根が張ってゴリゴリができることがありませんか?
そう、あれがリンパ節です。

リンパ節は首、脇、お腹、足の付け根にありますが、乳がんでは乳房に一番近い脇のリンパ節である「腋窩リンパ節」へ転移をします。

関所のようなリンパ節

胸にできたがん細胞はリンパ節を通って全身を回ろうとしますが、すんなり通してくれるわけではなく、いわば関所のようなリンパ節がありまして、そのリンパ節がガンの悪い細胞を見張ってくれています。

これを「センチネルリンパ節」と呼びます。
※センチネルとは英語で「見張り」を意味します。

このセンチネルリンパ節に転移すると、それに繋がっているリンパ節に次々と転移し、全身にがん細胞が散らばります。
なので、センチネルリンパ節は大変重要なリンパ節なのです。

センチネルリンパ節

 

リンパ節転移の有無を調べる

私の場合、術前にここに転移しているかはわかりませんでした。
そこで手術直前に胸の乳がんのしこりに直接、ラジオアイソトープという青い色素を局所注射して、手術中それを目印に転移の有無を探し出すことになりました。

結果は・・・・

残念ながら一つのセンチネルリンパ節に転移があり、念のためそれに繋がっていた他のリンパ節の切除しました。
術後、染まっている写真を見せてもらいましたが、ほんの一筋でしたが青く染まっていました。

半分のリンパ節を郭清

リンパ節を切除することを「リンパ節郭清」と呼びます
私の脇のリンパ節はたしか全部で16個、取り除いたのが半分だから8つ郭清されたということになります。

その結果、がんの全身への転移は免れましたが、リンパ浮腫という後遺症が出ることになるのですが、それはまた後日書こうと思います。

私の乳がんのタイプと進行度

T 腫瘍の大きさ
2cm

N リンパ節転移の有無
1つあり

M 骨、肺、肝臓、脳など遠隔転移
なし

そういえばステージを聞いた覚えがないのですが、私はおそらくステージ2だと思います。

ルミナルBで治療していくことに

検査結果、女性ホルモンによって増えるタイプとHER2タンパクによって増えるタイプの数値が中間に近くそれでもやや女性ホルモンの方が優勢だったため「ルミナルB」で治療していくことになりました。

 

出典
http://www.nyugan-infonavi.jp/senmoni/houshin2.html
http://himeji.jrc.or.jp/category/diagnosis/nyusengeka/type.html

https://mainichi.jp/articles/20170825/ddl/k24/040/284000c