乳がんで切除するとどうしても傷痕が残ります。
これは乳がんに限らず、他の手術でも同じですが、傷痕があると公衆浴場に入るのをためらうことがあります。
これからご紹介する「バスタイムカバー(温泉入浴着)」や「湯あみ着」は、着用したまま温泉や銭湯に入ることができる入浴着です。
当初、こんなもの着なくても自分が気にしなければ良いんじゃないの?と、思っていました。
でもよく考えると、自分ではもう慣れてしまってあまり気になってなくても、乳がんの手術痕って他の人が見たらギョッとするような傷痕なんですよね。
私は全摘手術でしたので、右の乳房がざっくりないので。
子供が見たらトラウマになってしまうかもしれません。
なので入浴着は「自分のため」というよりも、「私を見た第三者のために」着用するものだと思い直すになりました。
バスタイムカバー(温泉入浴着)
そんなバスタイムカバー(温泉入浴着)とはいったいどんなものなのかご説明いたします。
手術痕を隠して入浴できる
バスタイムカバー(温泉入浴着)は着用して入浴するという入浴着です。
これまで傷痕を気にして温泉や銭湯などの公共入浴施設に入るのをためらった方でも着用したまま入浴することができます。
着たまま身体を洗える
この入浴着は着たまま身体を洗うことができるので、いちいち抜いたりしなくてよいので便利です。
石鹸で身体を洗ったら普通にお湯で洗い流すだけでほとんど石鹸の成分は残りません。
しかもそれだけではなく、お風呂上りもタオルで拭くだけで、その上から着替えの服を着ることができてしまうのです。
ということは、入浴時は良くても脱衣所で脱いだり着たりするときに、傷が見えてしまう心配もありません。
(と、メーカーさんの説明にありますが、私が使った実感ではそのまま服を着るのはどうかと・・・あくまでも私の感想ですが)
素材
素材はポリエステル・ナイロン・ポリウレタンで、さらっとした手触りの、かかなり薄い布。
ストッキングを厚めにしたような手触りです。
肌に近いベージュの布が二枚重ねてあり、お湯で濡れても透けるということなく安心して使えます。
使用方法
右手術用と左手術用があります。
前からかぶって、後ろで紐を回して前で留め金か紐で結びます。
前だけが隠れて、背中は紐だけがある状態です。
また、バスタイムカバーは温泉や温浴施設では貸してくれるところもあります。
その場合リバーシブルのもので、左右どちらでも使えるようになっています。
湯あみ着(入浴着)
近頃は、かなり大きな範囲をカバーできるものとして「湯あみ着(入浴着)」があります。
入浴時に服を着て入るのはどうなの?という意見もありますが、私のように手術痕があったり、アトピーや火傷の痕やアザが気になる方、また外国人で人前で裸になるのに抵抗がある方には救世主的存在かもしれません。
着用時のルール
湯あみ着を着用できるか、温泉などの施設に事前に問い合わせましょう。
そしてその施設に湯あみ着が用意されてるかどうかも聞きましょう。
施設によっては、施設内で購入したものやレンタルしたものに限定していることもあるので注意です。
もし用意がなければ持参することになります。
実際に入浴するときは、事前に内風呂で身体をしっかり洗ってから大浴場に入るのがおすすめです。
湯あみ着の種類
湯あみ着には上半身をまるまる隠してしまうもの、バストとスカートに分かれているもの、腰巻のようなタイプや、パンツのような形、様々なタイプがあります。
混浴や露天風呂に気にせずに入れる
この湯あみ着の利点として、混浴風呂や露天風呂に抵抗がなくなるということがあります。
いままで、温泉に行ってすてきな露天風呂があっても入ることを恥ずかしくて入れなかったことってありませんか?
湯あみ着を着ていれば、カップルや一家で一緒に混浴風呂にだって気軽に入ることもできてしまいます。
湯あみ着の歴史は古い
そもそも湯あみ着(湯浴み着、湯着)とは、いつごろできたのでしょうか。
最近見かけるようになったので、近年にできたものだと思っていたらとんでもない誤解でした。
なんと古くは奈良時代の始めの記録が残されています。
「出雲国風土記」に『内衣(ないえ)=湯帷子(ゆかたびら)』を着用と記載されているのです。
その後、湯上りに着て水分を吸い取らせるバスローブのような使い方になり、それが江戸時代になると浴衣として着用されるようになりました。
このように古くから身体を隠す目的の着用着は使用されております。
まとめ
温泉では裸になるという慣習はあります。
正直お湯の中では裸の方が気持ち良いのは確かです。
けれども裸になるのをためらって入浴を我慢する人も多いのです。
私のような手術を受けた人や、やけどや皮膚に痕がある方、外国の方など、皆が楽しめるためのアイテムとして、入浴着は増えているようです。
私個人の感想としては、どちらの選択もできる、裸でも入浴着でもどちらでも楽しめる公衆浴場になっていけば良いなぁと思っています。
出典:
温泉百貨店