TC療法という乳がんの化学療法中の副作用で「手足症候群」に辛い思いをしましたので、そのことを思い出して書き記します。
抗がん剤の副作用はいろいろありますが、中でも私が一番つらかった「手足症候群」の皮膚の症状について書きます。
前回「手足症候群」はどういうものかをざっとご説明した、
乳がんの副作用「手足症候群」についてからの続きになります。
若干内容が重複してる箇所がありますがご了承を。
手足症候群:皮膚の焼けるような痛み
抗がん剤の点滴後、4~5日後あたりから、皮膚が痛み出します。
痛くなり始めは皮膚の色は若干、赤くなるだけなので、おそらく見た目だけでは痛さがわからないと思います。
皮膚の痛さは心底辛いもので、皮膚の表面が火傷のような痛みがずっと続きました。
火傷ってほんの少しの皮膚でもいたいじゃないですか。
それが足の甲1/3、手の甲1/3にあり、寝ても覚めてもエンドレスでヒリヒリするのです。
※注
抗がん剤の副作用は程度の差があるので、私のように辛い目にあった方、大したことのなかった方、いろいろかもしれませんが。
やけどのような痛み
火傷と全く同じような痛みがずっと何日も続きます。
火傷は皮膚のごく一部でも痛いですが、あれが手足の甲1/3くらいの大きさであるとイメージしてください。
皮膚が桃の皮のように剥ける
手足の皮膚のヒリヒリは1回の抗がん剤のあと6日に、皮膚がヒリヒリ痛みし出し、8日がピークでそのあと徐々に水泡になります。
中は赤向けの皮膚なのでできる限り皮膚をはがさないように注意しました。
表皮一枚が乗った状態の皮膚なので、物が当たると飛び上がるように痛くたまらないんです。
触るものはぜんぶ痛い
冬でしたが布団は痛くて掛けられないので、足を外に出して寝ました。
伸びてゆるゆるの靴下を履いてみましたが、痛くて耐えられないので、裸足で過ごしました。
伸縮性のないタイプの包帯で巻いたりしましたが、皮膚に当たったとこが痛いのでやめてしまいました。
結局何もできないでそのまま手足ともむき出しでいるしかありませんでした。
洋服を着替えるのも一苦労です。
やがて皮膚が剥ける
そしてその後は皮膚が面白いように剥けました。
ちょうど熟した桃の皮のように。
そのころは下の皮膚ができている頃なので、痛くはありません。
面白いことに一度このヒリヒリを体験した皮膚は、次の抗がん剤をやっても無傷なのです。
痛くなるのは隣あった別の箇所で、痛い部分が移動するんです。
理由は知りません。
4回の抗がん剤で、まんべんなく手足の皮膚が剥けていきました。
手足症候群:手足の皮膚トラブルを防ぐには
点滴のときに、手足症候群を冷やすと予防できるそうです。
これは皮膚だけではなく、爪のダメージも防ぐ効果があります。
冷却用グローブとソックス
「冷却用グローブ(凍結手袋・フローズングローブ)とソックス」で、冷やしてくれる病院が増えています。
私のときはやってくれなかったので、なかったのか忘れていたのか不明です。
自分で用意する手も
病院にない場合は、自分で用意する強者もおられます。
鍋つかみ用のミトンとアイスノンを持参して冷やすんだそうです。
看護師さんや薬剤師さんに聞いてみて、できるならやっても良いかと思います。
手足症候群:私がしたケア方法
私が使用した薬
「ヒルドイドソフト軟膏」というクリームを塗るだけ。
ヒルドイドソフト軟膏
ヘパリン類似物質が主成分
皮膚に水分を補給する、傷の修復、高い保湿力、血行促進作用、血液凝固を防ぐ、鬱血を改善する、傷の治りを早める・・・軽い抗炎症作用も
効果があるのかないのかわかりませんでしたが、他に頼るものがなく、ひたすら病院で処方していただいたこのクリームを塗っていました。
塗るのも痛いので「乗せる」
そうそう、塗るのも痛かったです。何か皮膚を触るのは悲鳴を上げるくらい痛いので、塗り込むのはできず皮膚の上に「乗せる」だけ。
風呂
ラッキーなことに寒い手足に副作用がでたのは寒い季節だったので、風呂は3日に1度にしました。
本当は毎日入りたいけれど「痛いから無理」ということで我慢です。
寒いのでシャワーだけで済ますことができず、かといって湯船に浸からないと寒いし、第一風邪をひくと抗がん剤がストップしますので困りました。
我慢の限界がきたら水のようにぬるいお湯にしたり、手足を湯船から出してなんとか入りました。
手が痛いから頭が洗えないって思うでしょ。
でもそれは大丈夫、つるっぱげだから、その点では髪の毛がなくて助かりました。
靴
私の場合、とても怖くて履けませんでした。無理して履いたら痛くて立ちすくんでしまったでしょう。
私は家で仕事をしているので、通勤がなくて助かりました。
通勤はまるで無理だったと思います。
買い物は、峠を越すまで主人に頼んでしまいました。
今ならネットスーパーがあるので楽だと思います。
以上、今回は抗がん剤の皮膚への副作用についてでした。
さて、次は爪の副作用について書く予定です。