私自身、6年前に乳がんの経験があります。
なので元がん患者としてその時の気持ちが実感としてあります。
そして亡父も食道がんと胃がんだったので、家族ががんになった経験も持っています。
今回は自分の経験から、がん患者として感じたこと、がん患者の家族として感じたことを書いていきたいと思います。
がん患者は話を聞いてもらえるだけでありがたい
病気になると身近に近しい関係の誰かがいることは大きな支えになります。
存在だけでありがたいものです。
特に病気の話ではなくていつものただの雑談がいいです。
一般に大病だと気を遣うことがあるでしょうけど、あんまり気を遣われるのは嫌だったかも。
普通にしてるのが一番
それでもし悩みの話をされたらぜひ話を聞いてあげて欲しいです。
患者の立場からすると、ただ聞いてもらえればただそれで良いところがあります。
性格にもよりますが、特にアドバイスはいらない、聞いてほしいだけだったりします。
ストレス物質は息から放出されるといいますね
ストレス物質は息から放出するって聞いたことがあります。
だからおしゃべりがストレス発散になるんじゃないですかね。
情報は正しく
迷ったり疑問に思ったら病院に相談してみましょう。
正しい情報は担当医や看護師から直接聞いてみるのが一番納得します。
もし第三者に相談したい場合は、相談窓口がありますのでそういう機関に相談するのがおすすめです。
患者の家族の方の相談窓口もありますので、何か相談したい方はアクセスしてみてください。
相談窓口
国立がん研究センター
がんの相談窓口「がん相談支援センター」
全国のがん診療連携拠点病院などに設置されているがんに関する相談窓口です。
https://ganjoho.jp/
公益財団法人 日本対がん協会
がん相談ホットライン
看護師や社会福祉士が、患者さんや家族、大切な人などからの相談を受けています。
https://www.jcancer.jp/consultion_and_support/%E3%81%8C%E3%82%93%E7%9B%B8%E8%AB%87%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
家族ががんになったとき
ご家族は、「第二の患者」ともいわれます。
家族が病気になったときのストレスは大きいものです。
「本人はつらいのだから」と無理をして我慢してしまうこともあるでしょう。
無理が元でご家族まで病気になってしまうと元も子もありません。
患者さんのご家族はぜひ「自分自身」もいたわりましょう。
睡眠は大切にしたい
私が特に大切にした方が良いと感じたのは「睡眠」。
人は眠ることで身体も心もリセットされます。
逆にいえば眠れないとリセットされず疲労が蓄積されていきます。
ご家族が病気になると、心労で眠れなくなることもあるかもしれません。
そういうときは、ドラッグストアで売っているような睡眠改善薬を飲んでみるのも手です。
きちんと熟睡することができるだけで、心が軽くなることでしょう。
自分を後回しにしない
そして少しでもおかしいと感じたら、ご自身のことを後回しにせず医療機関に相談してみてください。
がんの家族にどう接したらよいか
病気になった方は、極端に気を使われるのはかえって不安になります。
全て理解できることは無理ですが、少しでも病気になった患者の気持ちになって接してあげることが大切かと思います。
印象的だったとある家族
私が印象的だったのが、入院中にある家族。
30代の女性が入院していました。毎日夕飯の時にその家族であるご主人と子供2人がコンビニ弁当を持って病院にやってきて、家族全員が食堂で食事をしていました。
いつもの家族団らんを病院でしているのです、これを毎日です。
この一家の努力はすてきでした。
私も親が入院しているときに、自分も弁当をどこかで買ってきて一緒に食べてあげれば良かったと後悔しています。
家族は心のささえ
私は病気の父の気持ちを理解してあげられず、喧嘩になることがよくありました。
病気になると余裕がなくなるので、わがままになったり、少しのことで気分を害したりするものなのです。
それでも患者にとって家族の存在は支えです。
コミュニケーションを取らなくなると、心細くなりますので、行き違いがあっても、向き合っていくことが大切かと感じました。
「もう来るな!」と再三言われ、あのときは私もかなりのストレスだったでしょう。
それでも最期に頼ったのはやはり娘の私だったのかなと今では思い出します。
患者さんもご家族を気遣ってあげて
私の両親共に次々と大きな病気になりました。
そのあと自分自身が病気になったとき「なんて楽なんだろう」と思ったものです。
自分が病気になる方が断然「楽」です。正直、家族が病気になった時の方がつらかった。
自分が病気になったときは、自分の身体の不調はわかってますので、ただそれと向き合えば良いので、精神的には楽です。
家族のストレス
その点、家族は患者のサポートをしなければならないので、心労とストレスが溜まります。
病気になると、自身の身体がつらいので余裕がなくなります。
それはもちろんわかります、私も経験がありますから。
具合が悪くわがままを言いたくなることもあるでしょう、けれど支えてくれる家族の心労も理解してあげてほしいです。
これを言うと、「そんなかわいそうなこと」と大抵の人には言われます。でも患者の立場も経験した私なら言えるかと思うのです。
知り合いの方ががんになったとき
これまでと同じように接してあげてください。
多くの患者はそれを望んでいます。
そして相手の話を聞くことが大切です。
時には家族ではなく、第三者の人間に悩みを打ち明けることもあるかもしれません。
本人に病状を聞きにくいケースも時にはあるでしょう。
そんなときは、患者の家族など一番近い人物にコンタクトを取ってみると良いかもしれません。
職場の人が乳がんになったとき
乳がんの患者さんは、仕事も辞めずに抗がん剤治療をしながら働いている人が沢山います。
昔は仕事を辞めてかなり長いこと入院しながら治療するものだったようですが、今はほとんど治療は通院でするようです。実際、私も手術の時の5日と抗がん剤の初日に1日入院しただけです。
職種によって違いますが、デスクワークなら続けられることが多いものです。
手術後、一時的に腕が上がらないなどの後遺症、抗がん剤に依る体調不良・脱毛など、職種によっては配慮が必要になるかもしれません。
そのときによって違う体調変化
私の場合は、自宅で仕事をしているので通勤がないのでかなり楽でした。
それでも仕事関係では私に気遣っていただいたので本当に感謝しております。
私がやった抗がん剤はタモキシフェンというもので、足の皮がベロベロ剥ける副作用がありました。
あれは靴を履けないくらい痛かったので、一番ひどいときは通勤するのは難しかったでしょうね。
体調の変化にも波があるので、相談の上、患者さん本人とよく相談することが一番大切と思います。