乳がんの抗がん剤(化学療法)は脱毛があります。毛髪だけではなく体毛も抜けてしまうので、慣れない自分と向き合う期間でもあります。
毛髪はウィッグや帽子で隠せますが、顔はメイクで整えることで対処することになります。
なにしろ全身、眉毛やまつ毛も抜けてしまう。そうです!髪の毛だけではなく全身くまなく毛は抜けてしまいます。
それに顔色がもろ「病人」といった顔になるので、少なからずショックを受ける方も多いかと思います。
今回は抗がん剤治療中のメイクについて、お話していきたいと思います。
抗がん剤治療中のメイク:肌の清潔を保つ
洗顔は朝晩きちんと行うのが基本。
朝は寝ている間に酸化した皮脂や汗、汚れを、夜はほこりや汗などの汚れ、余分な皮脂や古い角質、肌に残ったメイクアップ化粧品などを落とします。
肌の調子が悪いときは、一時的に水またはぬるま湯だけの洗顔で済ますことも、私の場合はありました。
臨機応変に対処しましょう。
そしてトラブルが長引く場合はまず主治医に相談、そのうえで皮膚科の受診も考えて見てください。
スキンケアの基本はなんといっても「保湿」です。
肌にトラブルがなければ、今まで通りのものを継続して使うのは問題ありません。
ただし、化学療法中や放射線治療中は普段より、皮膚や爪の新陳代謝を行う細胞がダメージを受けるそれまでなかった肌トラブルが出てきたりします。
そんなときは低刺激のものを選んで使ってみましょう。
① 発疹、紅斑(こうはん)
② 皮膚の乾燥
③ 手足症候群
④ 色素沈着
⑤ 爪の障害
など
私の実感ですが、化学療法中は普段より乾燥気味でした。
なのでいつもは使わない保湿クリームをプラスして使っていました。
抗がん剤治療中のメイク:顔色をカバーするベースメイク
化学療法中はどうしても顔色が悪くなったり、目の下のクマも強くなります。
私も治療中に自分の顔を鏡で見た時はあまりの顔色の悪さに「まるで病人?!」とびっくりしました。(正真正銘、病人でしたが・・・)
肌が荒れてたり、湿疹があるときは、ファンデーションはあきらめてポイントメイクのみにした方が良いと思います。
抗がん剤治療中は無理は禁物です。
そのうえで、ファンデーションを使う場合は、カバー力のあるものを選び、厚塗りに見えないように付けます。
普段のメイクと違うのはくすみやシミのカバーです。
その際、しっかり付ける場所と、薄塗りの場所、その中間の場所と、塗り方を分けるのがコツ。
しっかりめの場所から始めるとうまくいきますよ。
頬・クマやシミのある場所
しっかり付けたいのは頬や目の下のクマやシミのあるところ。
ファンデーションを取り、スポンジや指で叩くように置いていきます。
ファンデーションではカバーしきれない肌のシミには、コンシーラーをうまく使いましょう。
コンシーラーはスティックから直接肌に乗せるのではなく、いったん、手の甲に乗せて、そこから指先で隠したい場所に乗せます。
放射状に外へ向けて伸ばし、肌との境目は指で軽くたたいてなじませるのが自然な仕上がりのコツ。シミやくまが上手に隠れます。
目・鼻・口まわり
化粧崩れしやすいので、ファンデーションを薄目に付け肌となじませます。
フェイスライン
生え際やフェイスラインにつけます。スポンジに付いたファンデーションを使うくらいごく薄くでOK。
抗がん剤治療中のメイク:抗がん剤治療でなくなった眉毛のメイク
今の時期なら誰かと会うときはマスクをすると思いますので、顔半分は隠せますが、眉毛はそこに何もないと人相が悪くなります。
そこでメイクでアイブローで書くのですが、そこに何もないというのは眉を書きづらいものです。
普段のメイクなら生えている眉毛を頼りにして濃くしたり、書き足したりして整えると思いますが、つるんるつん状態では調整する土台がないので困ります。
眉毛のテンプレート
鼻すじや骨格で眉を作るのですが、難しければ眉毛のテンプレートがありますので(最近では100均にもあるそうです)そういうものを利用すると良いでしょう。
眉毛テンプレートがあれば左右非対称になることもなく、簡単に理想的なラインに仕上げることができます。
眉毛がない利点もあります。
そもそも眉毛ながい状態というのは、別の眉毛の形にしやすいということです。
その日の気分に合わせて気軽に別の眉毛の形にチャレンジすることもできます。
3日消えない眉毛「眉ティント」は超便利
また、眉ティントというのが最近話題になっています。
リキッドのアイラインのようなもので眉毛の形を書きます。
(乾く前なら、綿棒で調整できますので失敗しても大丈夫。)
塗ってからそのまま2時間おいて、乾いたら剥がします。
するとまゆげの形に皮膚が染まるのです。
自然な感じなので違和感もありません。
汗で落ちるなんてトラブルもなく、染まった状態は3日ほど続きますので楽です。
ふいな用事、例えば宅急便が来たなんて時や、ゴミ捨てなんてときに、いちいち眉毛を書かなくても済むということです。
なんて楽ちんなんでしょう!
立体感がある「つけ眉毛」
眉毛ファイバーはジェルの中に入っていて、筆やピンセットなどを使って張り付けていくものです。
アイブローや眉ティントでなかった「毛」を張り付けるので本物感があります。アイブロウペンシルやアイブロウパウダーでは出せない立体感が出て、より自然な眉に仕上がります。
ただし、慣れるまでは多少時間がかかることや洗顔で落ちてしまうことが欠点です。
眉毛のかつら・眉毛ウィッグ
眉毛のかつら、人毛のレースの眉毛。
医療用テープ、またはつけまつげ用のグルー、かつら用両面テープやかつら用接着剤等で密着させる眉毛。
立体感があり、毛流れも自然です。
なお、寝る時には取り外しできるので安心です。
予め形があるので、化粧に不慣れな男性にはこちらの方が良いかもしれません。
抗がん剤治療中のメイク:抗がん剤治療でなくなった「まつ毛」はどうするか
まつ毛がなくなるとゴミが目に入って不便だろうな?
そんな思いで私もつけまつ毛を買って見ました。
私のようにつけまつ毛をとりあえず買ってみる方は多いようです。
けど、つけまつ毛ってまつ毛で支えてるので、まつ毛がないとうまくいかないんですよ。すぐ落ちてしまいます。
目の際は弱く、ただでさえも抗がん剤で免疫力が弱った時期はあまり刺激しない方が良いようです。
現に私は化学療法の3クール目あたりから霰粒腫(ものもらい・めばちこ)になってしまいました。
まつ毛がなくても眼鏡(もちろん伊達眼鏡でもOK)かければ、ゴミは防げるし、目元が締まるのでおすすめです。
どうしても目元に化粧をするのであれば、アイラインを強めに入れるとまつ毛がなくても違和感がないかと思います。
ここで注意なのですが、リキッドのアイライナーだとまつ毛がないので線が協調しすぎてわざとらしくなってしまいます。
リキッドよりはペンシルタイプアイライナーの方が自然な仕上がりになります。
抗がん剤治療中のメイク まとめ
抗がん剤治療中のメイクのお話をしました。
肌の調子を整えるには保湿を基本。
治療中のメイクは肌のコンディションと相談しながらしていってくださいね。
顔が明るくなると、気持ちも変わるもの。
毎日を前向きな気持ちで快適に過ごすため、スキンケアやメイクで乗り切っていきましょう。