乳がんと肥満の関係:ホルモン療法中のダイエット

スポンサーリンク

《PR》

乳がんと肥満の関係:ホルモン療法中のダイエット肥満・ダイエット
スポンサーリンク
【よく読まれている記事】
>>私がリンパ浮腫を発症してしまったきっかけ

もともと欧米人に比べてアジア人は乳がん患者数が少ないと言われています。

けれども日本人においては乳がんの羅漢率がとうとうトップになり、さらに年々乳がん患者が増え続けている傾向があります。

この陰に、日本人の体型変化があると思われます。
戦後は生活習慣と食生活が大きく変化しました。

いままで乳がんと閉経後の肥満については関係性が指摘されておりました。

一方、閉経前の肥満については乳がんと関係ないとされていました。

これがどうも一概にそうではないらしいのです。
今回は「乳がんと肥満との関係」をご説明いたします。

 

スポンサーリンク

閉経前と閉経後の肥満指数(BMI)

BMIと乳がんリスク

これまで肥満と乳がんの関係については研究されてきていました。
BMIの数値が高い=肥満度が高い女性の乳がんリスクは「閉経後では高い」「閉経前では低い」といわれていました。

私が乳がんになったころ聞いた話ではそうでした。

ところがこれまでの研究は欧米人対象で行われており、アジア人に基づいたデータではありませんでした。

とはいうものの人種によってそんなに差があるものなのかな?と思いますよね。

ところがそれが大ありだったのです!

肥満指数(BMI)

肥満指数(BMI)と乳がんリスク

肥満を表す指標として国際的にBMIという指標をご存じでしょうか?
BMIの値が高いほど肥満傾向が強いというものです。

具体的には以下の計算で出します。

計算方法

肥満指数(BMI)はBody Mass Indexの略です。
体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出します。
体重/ 身長×身長(センチではなくメートル)

このBMIの数値が肥満・痩せの世界共通の指標として使われています。

計算が苦手な方はネットで

計算が苦手な方(それは私)は、こちらのサイトで身長と体重を入力するだけで自動で「体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数(BMI)と適正体重」を計算してくれます。参考までに。

体格指数(BMI)と適正体重
BMIと適正体重

閉経前と閉経後のBMI値と乳がんリスク

閉経前の肥満

2014年に発表された研究では、なんとびっくり、閉経後はアジア人は欧米人のデータ結果と真逆でした!

こういうことってあるんですね・・・・

(※日本の8つのコホート研究における18万人以上のデータをあわせたプール解析により肥満指数(BMI)(注)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定)

欧米人は閉経前の肥満は乳がんのリスクは低く、むしろ肥満傾向の方が予防的であるのに対して、
アジア人は「閉経前の肥満も乳がんリスクは高い」という結果が出たのです。

閉経後の肥満

ちなみに欧米人、アジア人ともに閉経後は肥満は乳がんリスクが高いです。

これは明確に答えが出せます。
閉経後になぜ肥満が乳がんの発生率に影響するのか、それは「女性ホルモン関連のメカニズム」に関係があります。

閉経後は女性ホルモンを作るところが変わる

閉経前は卵巣でエストロゲンを作り出しますが、閉経後はまったく違います。

閉経後は卵巣ではなく副腎や脂肪組織で作られるエストロン(E1)が主要なエストロゲンになります。

なので脂肪が多いとそれだけエストロゲンの供給源になってしまうため、ホルモン依存型の乳がんのリスクが高くなるというわけです。

もちろん再発率も高くなります。

閉経後はBMIが高くなりやすい

閉経後はBMIが高くなりやすい理由

エストロゲン内臓脂肪の代謝を促して、蓄えにくくする働きがあります。

卵巣からのエストロゲンの分泌が更年期により変化し減ってくると、体は内臓脂肪を蓄えやすくなってしまいます。

閉経後の女性は脂肪を溜めやすい

閉経後の女性では脂肪蓄積の「機構」が活性化しているために細胞の1つ1つに蓄えられる脂肪の量が増加する傾向があります。

若いころと同じ運動しているのに痩せないのは、燃焼する脂肪の量が少なくなるからです。

したがって閉経後には、脂肪が付きやすく落ちにくい体になるのです。

若いころと違って痩せにくい

閉経前は放置していても、なんとなく体重が適正体重くらいに戻っていることがあっても、閉経後はぜんぜん戻らないという実感をお持ちの方は多いかた思います。

そうなんです、面倒なことに閉経後は努力しないと体重は減らないんですよ。

ちなみにお腹周りに脂肪が付きやすい傾向があります。
そして脂肪が付けば乳がんリスクが高まります。

肥満指数(BMI)が高くダイエット、でもサプリは大丈夫?

ホルモン療法中、ダイエットサプリは大丈夫?

つまり簡単に言えばひとこと。
閉経前も閉経後も「太るな」ということです。
ただし、痩せすぎもまたリスクがあるので「適正体重」が理想です。

そこで気になるのはダイエットサプリです。
脂肪を落としたい方は、ダイエットサプリをご利用になるケースも多いかと思います。

ただでさえも痩せにくいホルモン療法中また閉経後の女性は、ついダイエットサプリの助けを求めてしまいます。

薬の副作用でも太る

ところが毎日ウォーキングをしたり食事も気を付けていてもなかなか体重が減らない、私の飲んでいたタモキシフェンがそうでしたが、薬の副作用で太りやすいことがあります。

ダイエットサプリを併用したい

そんなときはダイエットサプリを併用したいと思いませんか?

ところがここでふと気になるのが、果たしてホルモン療法と併用しても大丈夫なのだろうか?という疑問です。

女性ホルモンに影響が出るものがないか確認

実はダイエットサプリに含まれている成分にプラセンタ(胎盤エキス)やイソフラボンなどの成分が含まれている場合があります。

プラセンタは胎盤から抽出した成分を含有しており、サプリメントや化粧品に使われています。

ホルモン療法中はせっかく女性ホルモンをおさえているのに、女性ホルモンを活性化させるプラセンタ、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが濃縮されているサプリは療法そのものに影響が出てしまうことが考えられます。

※ただし、大豆食品は食品として食べる分には推奨されています。

 

ダイエットサプリを選ぶ際は医師に相談を

ダイエットサプリを使用する際は成分を良く確認して、女性ホルモンが含まれていないものを選び、万が一のことがないように主治医とよく相談して選んだ方が良いでしょう。

健康に問題ない人ならともかく、乳がんという病気を抱えているのであればサプリメントも成分をよく確認して購入するように心がけたいものですね。

出典:国立がん研究センター「BMIと乳がんリスク」