私の乳房の中にがん細胞がまだあったとき、トイレのあとの尿のニオイが気になっていました。
それは胃がんだった父のトイレのあとのニオイそっくりだったからです。
胃がんと乳がんではニオイは違いそうですが、犬ほどの嗅覚を持っていないので同じようなニオイに感じました。
どんなニオイかというとおしっこ臭いというのとも違っていて人工的なニオイ、「焦げたゴムのようなにおい」です。
乳がん手術とホルモン療法を終えた今、あのニオイの尿はとんとしたことがないので、あの焦げたゴムのニオイの尿はおかしかったんだと思っています。
尿の色やニオイは病気の発見に重要で、自分しか見ないものなので自分で気を付けるしかありません。
いつもと違う色やニオイがしたら要チェックです。
目安として尿のチェック一覧を載せておきますので、今現在、健康に問題ないと思っていても、たまには尿に異常がないか気を付けてみると良いですよ。
尿の色
健康的な尿の色 | 「淡黄色」か「むぎわら色」。 |
尿が赤い | 尿の中に血液が混じった血尿の疑い。 尿路の出血や腎炎、腎盂腎炎、腎結石など。 |
尿の色が薄い、ほどんど無色 | 大量に水分を摂取した場合。 糖尿病。 |
尿が黄褐色~褐色 | 肝機能の異常。 高熱や脱水症のとき、急性肝炎などの肝臓の病気、胆道系の病気など。 |
尿がにごる | 排尿直後からにごりのある尿は、腎炎や膀胱炎など、泌尿器が細菌に感染している可能性あり。 |
オレンジ色の尿 | ビタミン剤などの薬の影響。 |
尿の量
健康的な尿の量 | 平均的な量は大人で1日あたり0.8~1.5リットル。 おしっこの回数は1日4~6回程度 |
尿の量が多い | 糖尿病になると尿の量、回数とも増える。 腎臓の病気。 |
尿が少ない | 急性腎炎、腎臓にトラブル。 嘔吐があるときは尿量は減る。 汗をかいたあと。 |
尿が出ない | 結石や腫瘍など。 腎臓の機能がひどく低下した、危険な状態。 |
頻尿 | 膀胱炎や尿道炎、前立腺炎など。 |
尿のニオイ
健康的な尿のニオイ | 健康な人のおしっこは、あまりくさくない。 |
強いアンモニア臭 | 排尿したてなら尿をつくる過程のトラブル。 膀胱炎など。 |
果実のような甘ったるいにおい | 糖尿病、お酒を飲んだ後、ダイエット。 |
ガンのニオイをかぎ分けるハエ
2014年1月、ドイツ・コンスタンツ大学からはキイロショウジョウバエががん特有の臭いを嗅ぎ分ける能力をもつと発表されました。
コバエはなんとガンのニオイをかぎ分けるというのです。
キイロショウジョウバエというのは日本でも普通にいるいわゆる「コバエ」や「ショウジョウバエ」とも言われます。
体長3mmの小さいハエ、小学校の実験でバナナで捕獲した人もいると思いますが、赤い目をした憎いやつです。
自然界では熟した果物類や樹液およびそこに生育する天然の酵母を食料としていてアルコール発酵されたものに引き寄せられます。このハエは糞便や腐敗動物質には接触しないので不潔というわけではないようです。
ガン探知犬ならぬ「ガン探知ハエ」?
なぜかガンの匂いをかぎわけられるこの「キイロショウジョウバエ」。
ガン発見にキイロショウジョウバエを利用できるじゃないか、と、まじめに考えた人がいました。
ただ、問題があって、キイロショウジョウバエが人に「ここにガンがあるよ」「この人にガンがあるよ」と教えてくれる術がないことです。
がん探知犬もガンのニオイがわかるそうですが、ハエですからわんわんと鳴くわけではありませんし。
がん探知犬は人の尿を嗅いで、がん患者の尿を嗅ぎ分ける訓練を行っています。
犬の嗅覚は人の10万倍以上ですので、尿や呼気や汗に含まれるアルカン、芳香族化合物、ベンゼン誘導体など特有の物質(揮発性有機化合物)をかぎ分ける事により腫瘍を検出するそうです。
ただこのがん探知犬は、犬的にちょっと気の毒な訓練と思ってしまいます。
見ず知らずの尿を一日中嗅がせられるのかしら?
それにがん探知犬は犬の訓練が必要なことや、犬の寿命を考えれば、あまり効率的ではない気がします。
だとすればハエがガンを見つけることができれば、特別な訓練もいらず、次々増えてくれるであろうハエですから、日本中、いや世界中で「ガンの検診にハエを使う」という日がやってくる・・・・かな?
で、どうするかというと活動している嗅覚神経だけが光るように遺伝子を作り変えたハエを使うというのです。
バイオハザード的な話ですが、この特別なハエにニオイをかがせて、どの嗅覚神経が光るかでがん細胞を判別させるのです。
実際に実用できるのかどうかは知りませんが、将来実現できればいいですね。