レモンで表現した「乳がんの12の兆候」とセルフチェックの意義

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乳がんの兆候を表すレモンレモンで表現した「乳がんの12の兆候」
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この12個のレモンのイラストをご存じでしょうか。
12個のレモンはそれぞれ乳がんのタイプを表しています。
これがとっても、わかりやすいのでこのブログでも紹介します。

レモンがどんな乳がんを示しているか

  • 肥大したい皮膚
  • 乳房のくぼみ
  • 皮膚のただれ
  • 赤身・ほてり
  • 乳頭からの分泌
  • 表面凸凹
  • 乳房内のしこり
  • ミカンの皮のような肌
  • サイズ・形の変化
  • 乳頭の牽引
  • 静脈の怒張
  • 突出したしこり

が、表現されています。

一口に乳がんといっても様々なタイプがあり、見た目の変化もいろいろです。
いままで平面的なイラストはありましたが、このように立体的なグラフィックで表現されていると一目瞭然、とってもわかりやすいです。

乳房の中の乳がんをレモンで表現

こちらは乳房を横に輪切りにした物形を表しています。乳房の中の乳がんをレモンで表現しています。

乳がんレモンの生みの親

これは非営利団体「ワールドワイド・ブレスト・キャンサー(Worldwide Breast Cancer)」のコリーン・エルズワース・ボーモントさんが作成したものです。

乳がんレモンの生みの親

キャンペーンを展開

コリーンさんはデザインの勉強を続けるためロンドンに移った後、幼馴染みが28歳と言う若さで炎症性乳がんの診断を受けたと知り、自分の貯金で乳がん啓発団体Worldwide Breast Cancerをはじめ、#KnowYourLemons(あなたのレモンを知って)キャンペーンを展開しました。

レモンで表現した「乳がんの12の兆候」は、フェイスブックで4万回以上もシェアされ、世界中で300万回以上も閲覧された。キャンペーンは、英国、米国、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、オランダ、ポーランドなど、世界中のメディアにもとりあげられました。

日本における運動

日本でも乳がんの早期発見に向けて教育啓蒙活動や定期健診の促進活動を行っているNPO法人のRun for the Cure Foundation(RFTC)が、コリーンさんのポスターを使い「レモンプロジェクト」と呼ばれる教育活動に取り組んでいます。

RFTCのレモンプロジェクトでは、希望する企業のオフィス、学校、地域センターなどの要請に応じて、無料で乳がんの早期発見に関する啓発セミナーを提供しているそうです。

レモンとセルフチェックの意義

日本では乳がんを発見するきっかけはセルフチェックという人は6割と大変多く、残念ながら定期的な健康診断でマンモグラフィを受ける人はそれほど多くないようです。

ならばこのレモンのグラフィックが自分の乳房に関心をきっかけになることもあるとすれば、コリーンさんの願いは伝わっているということに。

乳がんのセルフチェック(自己検診)

乳がんは自分で発見できるがんです。
入浴中などを利用して自分で乳房を触ってしこりがないかチェックできます。

詳しい方法はこちらに書きましたのでどうぞ参考にしてみてください。

乳がんのしこりの硬さ セルフチェック(自己検診)方法
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セルフチェックのタイミングは月経後の乳房の張りが少ない時がおすすめです。
乳がんは乳首を中心にして外側の上部にできることが多いので、外側は入念に調べましょう。

乳房の中にあるとわかりにくいので、やや押し気味に調べると良いです。
例外もありますが、乳がんは胸から生えてきた石のように動かない特徴がありますので、それを頭に入れておくと良いでしょう。

アメリカの事情

一方、実はアメリカでは乳がんのセルフチェックはあまり有効視されていないそうです。
乳がんに似た良性疾患が多いため、不必要な精密検査ばかりを増やすことに繋がるということで、アメリカの予防医療専門委員会(USPSTF)、米国国立がん研究所、米国対がん協会、米国の乳がん患者支援者団体も、セルフチェックを推奨しない立場をとっています。

乳がんと間違えやすい病気
自分で胸を触診して、胸の中に何かがあったとします。「もしかして乳がん?!」と焦ると思います。でも焦るのはちょっと早いかもしれません。なぜなら乳がんににた病気がいくつかあって、しこりがあっても必ずしも乳がんとは限らないからです。実は乳がんでないことの方が多いというお話をしたいと思います。

けれども本当に乳がんをセルフチェックで発見した人は確実にいるのですから、簡単に否定するのもなんだかな~と個人的には思ってしまいます。
私自信、セルフチェックで発見しましたし・・・

日本のよう健康保険制度がないアメリカですので、このような考えになるのかもしれません。

早期発見、早期治療の呼びかけの弊害

否定的といえば、ピンクリボン運動でしきりに乳がんの「早期発見、早期治療」を呼びかけるあまり、自然に消える可能性のある小さながん細胞まで発見・治療してしまい、放射線治療や手術や化学療法で逆にがん細胞を増やすリスクを負ってしまう、という意見を持っている方もいます。

癌細胞は健康な人でも毎日5千個ができては消滅するのを繰り返しています。つまり免疫細胞ががん細胞をやっつけてくれてるので私たちの健康が保たれているというわけです。

小さな小さながん細胞は、免疫細胞が正常に働くようにすれば免疫細胞がガンの増殖を防いで消滅させてくれるという考えです。

実際のところ、放射線治療や手術や化学療法でリスクをどうなのかは私は医療関係者でないのでよくわかりません。
啓もう活動をきっかけに治療が必要ながんを発見する人もいるのだから、簡単に否定するのも他人事だよなぁと思ったりもしますけど。

乳がんのタイプはいろいろある

乳がんレモン まとめ

人間は見たくないものは見ないようにする傾向があり、本物の乳がんの病巣を見るのが怖い人もレモンなら抵抗ないですよね。レモンの形を借りて表現したコリーンさんのアイデアは素晴らしいです。

よく見かけるような乳房の上にピンクリボンを置いただけの写真やイラストだと、乳がんの本当の姿は想像できないですから。

この12個のレモンが多くの人の目に留まりますようにと願います。

 

 

出典:
Worldwide Breast Cancer作成、RFTC翻訳、提供
乳がんを学ぶ 乳がんセルフチェック
Lemon Project Progress Report