今や日本人女性が生涯で乳がんに罹患する確率は、10.6%(9人に1人)となってしまいました。
自分は乳がんにならないという過信は禁物です。
知らず知らず病は忍び寄ってくるもの。
乳がんは、無症状のうちに検診を受診すれば早期発見につながり、適切な治療によって治癒の確率も高くなります。
早期発見・早期治療を心がけるためにも、乳がん検診は必ず行くように心掛けたいものです。
乳がんの検診を受けるべき年齢
乳がん検診はどのくらいの年齢の方が受けるべきなのかみていきたいと思います。
検診の間隔
一般的に乳がんの発症年齢は、40歳代後半から50歳代前半の更年期あたりの年齢がピークです。
したがって乳がん検診は2年に1回、 40歳から65歳ぐらいまでの方は、乳癌検診は1年に1回受けることをお勧めします。
けれども、20代~30代で発症してしまう方もいるので、「自分はまだ若いから大丈夫」という過信は禁物。
子宮頚がんの検診と共に乳がん検診を受けるのもおすすめです。
年齢による検査の違い
マンモグラフィは、一般には40代ぐらいからやっていくほうがよいでしょう。
40代以上では、隔年、エコーとマンモグラフィを交互に受診、または毎年フル検査(エコー+マンモ)をおすすめします。
30代ぐらいまでの女性は乳腺が発達してマンモグラフィには写らないことが多いため、超音波(エコー検査)をおすすめします。
乳がんの検診を受けるタイミング
月経の前は乳房が張っているため、乳房の診察時に痛みを伴うので月経が終わってから1週間以降が良いでしょう。
マンモグラフィは機械で乳房を圧迫しますので、乳房が張っていると、はっきり言って痛い!です。
自分で乳がんを触診するセルフチェックも同様で、乳房が張っていないときの方がしこりを発見しやすい傾向があります。
乳がん検診を受けられる場所と問い合わせ
地方自治体(都道府県、市町村、特別区)
保健所(ホームページ、電話)
(対がん協会の支部でも検診を行っているところがあります)
乳がんの検診の流れ
乳がん検診(一次)は、国の指針によりますと、対象は40歳以上で、問診、乳房X線検査(マンモグラフィ)が基本になります。
視触診は推奨はされていませんが、実施する場合はマンモグラフィ検査と併用します。
一次検査で問題点がしてきされたら、二次検査を受け、乳がんの有無を確かめます。
国の指針では、問診、乳房X線(マンモグラフィ)が検診項目になっています。視触診は推奨されていませんが、実施する場合はマンモグラフィと併用します。ほかに超音波の単独検査やそれらを組み合わせた方法で行われています。
※妊娠中や妊娠の可能性のある人、授乳中の人などは受診できない検査があります。
マンモグラフィ検査
乳がん検診はマンモグラフィ検査が国際基準ですが、乳腺の密度が高い40代の検診精度が低くなるという課題があり、近年、マンモグラフィ検査に「超音波検査」を組み合わせたり、単独で用いたりする方法を採用しているところもあります。
A.マンモグラフィでは乳房を2枚の圧迫板ではさみレントゲン撮影を行います。
乳腺を引っ張るとき、圧迫板によって圧迫されるときに痛みを感じることがありますが、痛みの有無は技師の技量やマンモグラフィの構造によっても左右されます。
検診の内容
一般的な乳がんの検診の内容として、問診国の指針では、問診、乳房X線(マンモグラフィ)が検診項目になっています。
問診
現在の病状、既往歴、家族歴、過去の検診の受診状況等を聞きます。
視触診
視触診は推奨されていませんが、実施する場合はマンモグラフィと併用します。
超音波検査など
ほかに超音波の単独検査やそれらを組み合わせた方法で行われています。
※妊娠中や妊娠の可能性のある人、授乳中の人などは受診できない検査があります。
検診の検査結果
検査結果は、検査後10日~1ヶ月ほどで主に文書で通知されます。
乳がんの検診の費用
検査は通常、自治体が指定する病院や医療機関で行います。費用は自治体や年齢によって自己負担金が異なります。
自治体の検診を利用
自治体が行っている「住民検診」などの乳がん検診は、マンモグラフィ検査が中心です。対象は、その自治体に住んでいる40代以上の女性です。
検査を受ける周期は、2年に1度が基本です。
多くの住民検診では、マンモグラフィ検査に、希望によって超音波(エコー)検査や、視触診検査(問診、視診、触診、自己触診法の指導)を追加することができます。反対に、一般的には視触診検査のみを受けることはできません。
検査は通常、自治体が指定する病院や医療機関で行います。費用は自治体や年齢によって自己負担金が異なりますが、無料~3,000円程度となっています。
なお、後期高齢者医療被保険者証を持っている方などは、自己負担金が無料になることがあります。
健康組合の制度を利用する
会社などで加入している健康組合の「職場検診」では、超音波検査かマンモグラフィ検査のいずれかを選べることがほとんどです。一般に若い方は超音波検査、熟年の方はマンモグラフィが検査しやすいと言われるため、自分の年齢を考慮して選択すると良いでしょう。
対象はその健康組合に加入している女性のうち、検診を希望された方のみとなりますが、健康組合によっては、被保険者の被扶養配偶者も受けられることがあります。そのため、専業主婦の方は、配偶者の健康組合の制度を確認されることをおすすめします。
なお、費用は無料か、自己負担金1,000円程度のところが一般的です。
全額自己負担で受ける場合の費用
乳がん検査を全額自己負担で受ける場合の費用は、超音波検査+マンモグラフィ検査+乳房視触診で10,000円程度となっています。超音波検査のみの場合は4,000円前後、マンモグラフィ検査のみの場合は5,500円前後です。人間ドックではなく、一般の病院で検査を受けることもできますが、その場合はこれに診察料や初診料などが加わり、総額20,000円~30,000円程度の費用がかかります。
乳がん検診の結果が「要精密検査」だったら
乳がん検診の「要精密検査」だった場合。ドキッとしますが、まだこの段階では乳がん確定というわけではありません。
マンモグラフィ検査や乳腺超音波検査でみつかった病変が、どのような状態か、治療が必要な状態なのかを診断するためさらに詳しく検査をします。
何をするのかは、状況によって違いがあるかもしれませんが、乳がんの検査には次のようなものがあります。
乳がん検査内容例
- 「細胞診」
穿刺吸引細胞診。
病変の位置に、細くて長い針を刺し細胞を採取。 - 「組織診」
針生検。
病変の位置に、局所麻酔を使用しひと回り太い針(ボールペンの芯くらい)を刺し組織を採取。 - 「吸引式乳房組織生検」
吸引しながら組織を採取。 - 「外科的生検」
外科的に病変の一部を切除して採取。
乳がんの検診以外でもセルフチェックの習慣を
また乳がんは「自分で発見できるガン」と言われています。
実際、乳がんのしこりや乳房の異変を自分で発見することも多いのです。
病院での検診がなくても日頃から、自分の乳房を鏡に映し異変がないか見たり、しこりがないかチェックしておくことが重要です。
乳がん発見は、2年1回の検診よりも月1回の自己検診の方が勝るところがあり、自己検診は特に重要です。
乳がん健診だけではなく、月に一度のセルフチェックは忘れずにしておくことをおすすめします。