これまで乳製品は乳がんの発生リスクになるのではないかと、まことしやかに囁かれてきました。
その理由とは牛乳とは「エストロゲン(女性ホルモン)」の濃度の高い、分娩後の雌牛から搾取したお乳であること。
日本の酪農では、分娩後、半年すると、授乳中の牛が人工授精されるため、エストロゲン濃度が高いため、乳がんリスクがあると考えられてきました。
普通の人なら女性ホルモンが増えてお肌つるつるになるじゃんと喜びそうなところですが、私たちホルモン依存型の乳がん患者ともなるとそうもいかないのです。
エストロゲン(女性ホルモン)が乳がん細胞を増やしてしまうので。
ホルモン依存型乳がんのホルモン療法
そんなことから乳がんを避けるために乳製品は摂らないようにしてる人も多かったのではないでしょうか。
けれどもこの頃では乳製品の乳がんリスクは必ずしも関係があるわけではないのではないかと言われ始めています。
乳製品は不自然な食べ物
そもそも私が乳製品に対する考え方で合点がいったのは「他の動物の赤ちゃんの乳を飲むのは不自然」という考え方からです。
哺乳類は子供の頃はお乳を飲みますが、大人になると飲まなくなりますよね。
その上、雑食のヒト科の動物が、草食の牛のお乳を赤ちゃん牛から奪って飲むのって不自然ではありませんか?
ゲテモノ?
そう考えると、牛乳って(こう言うと変人扱いされそうですが)かなりゲテモノではないかと思ったからです。
その不自然な食べ物を食べていれば、体に不調が出るのは当然ではないかと考えました。
消化酵素は欧米人と日本人で違う
「牛乳=健康」というイメージがありませんか?
けれども日本人がこんなに牛乳を飲むようになったのは戦後です。
牛乳は我々日本人には新しい食べものということになります。
戦後GHQの政策で牛乳と小麦が日本に導入され、牛乳信仰が刷り込まれたのです。
「牛乳を飲まないとカルシウム不足になる」という刷り込みを植え付けました。
かえって体調を崩す人も
豆乳の時にも人の腸内に住んでいる菌の環境は人に違うことに触れました。
日本人の中には、牛乳を飲むとお腹を壊したり、体調がかえって悪くなる人がいます。
乳糖不耐症
牛乳はそもそも日本人の食習慣にはない食べ物なので、消化酵素がない人は、乳糖不耐症と呼ばれ消化不良や下痢などの症状を引き起こしたりします。
乳製品を多くとる国の特徴
さて、話を乳がんに戻します。
乳製品と乳がんの関係を研究している国は、カロリー摂取の多い国=肥満の人が多い国です。
乳がんの発生因子に肥満が含まれているので、乳製品だけに絞って研究するには、カロリー摂取の少ない国で乳製品を多く摂る国のデータが必要です。
そもそもこの乳製品と乳がんの関係を研究しているデータが少ないので、はっきりした結論にはいたってません。
こういう単独の食べ物と病気の関係を探すのは、あらゆるケースのデータと照らし合わされないと難しいですね。
高脂肪と低脂肪で違う
昔は当然と思っていたことが、近頃では真逆だということが多々あります。
昔は乳製品を摂ると乳がんになると言われていたことが、この頃では、乳製品はかえって乳がんリスクを減らすという報告もあります。
この場合、重要視するのは低脂肪乳か、高脂肪乳かということです。
低脂肪の場合
研究によって低脂肪乳の摂取による乳癌発症リスク減少が認められました。
閉経前女性でより強い傾向にあるということです。
これで乳製品を我慢していた人も低脂肪乳なら安心して飲めることがわかりました。
高脂肪の場合
ただし、高脂肪の乳製品の摂取は、乳がんのリスクを増加させてしまうのもわかりました。
この場合、先にも触れましたが、肥満と乳がんの関係には明確に関係があることがわかっているので、高脂肪の乳製品を摂り続けていれば当然、肥満傾向になるでしょう。
乳製品に対する結論
つまり「乳製品=乳がんになる」という直接的な因果関係はなく、低脂肪乳か高脂肪乳かの問題だったというわけです。
嗜好品として
これまでなんとなく避けてきた乳製品ですが、低脂肪の牛乳やヨーグルトなら大丈夫そうなので、乳製品は絶対必用な食べ物と思わず、たまに食べたいと思った時に食べる嗜好品として楽しむことにします。
やっぱり豆乳がいいな
でも(あくまでも私の好みですが)低脂肪の牛乳やヨーグルトってこう言ってはなんですが、あまり美味しくない・・・。
無理して食べることもないのでやっぱり豆乳がいいかな?
正直、豆乳の方が美味しいと思いますし、イソフラボンも摂れる(かも)しれないですから。
というか、私の場合は 乳製品を気にするよりも、乳がんとの因果関係が分っているアルコールの方を控えるべきかも。
参考:
乳製品の摂取は乳癌発症リスクを減少させるか