今回は、乳がん手術後のブラジャー(インナー)について書いてみたいと思います。
全摘手術で片方の乳房がない場合、あるいは乳房温存手術で乳房の形が変わった場合、いずれも今まで使っていたブラジャーでも使えないことはないけど、都合の悪いことが多々あります。
乳がん手術後は、新しいバストとのお付き合いが始まり、目まぐるしくブラジャーのタイプが代わります。
この際のブラはたれ防止の
乳がん手術後におすすめのブラジャー:肌にやさしいワイヤーなしブラの選び方のご案内
手術直後に適したブラジャー 乳がん手術直後はブラジャーではなく胸帯
手術直後は病院で「胸帯(きょうたい)」を買うように指導され、手術前に病院内の売店で買いました。
厚手の生地でマジックテープで止めるようになってます。
かなりきついので締め付け感はハンパないですが、手術跡を緩まないようにして止血する効果があります。
乳がん手術後のブラ選び 乳がん手術後はじめてのブラジャー
手術直後に看護師さんからブラジャーについての指導があります。
病院内にパンフレットがたくさん置いてありますので、自分に合うものを見つけましょう。
乳がんの専用のブラを取り扱ってるお店に行けば、試着や相談ができますが、近くに専門店がなければ通販やインターネットで取り寄せることができます。
通販やインターネットの場合でも送料と試着料金はかかってしまいますが、試着のお客様サポートがいただける場合があります。
術後に選びたい前開きブラジャー 前開きのソフトブラジャー
手術後しばらくは胸に痛みがあったり、腕の動きが制限されるので、ブラジャーのホックが後ろだと閉めることができません。
なので、この時期のブラジャーは着脱が楽なよう設計された腕が入りやすい仕様の前あきデザインタイプのものです。
素材も天然素材でできていて、傷口への刺激が少ないものが良く、吸水性に優れかつ風の通しの良いものを選びましょう。
購入の時に着用できるのであれば試してみましょう。楽な着心地で、し上がりな良いものを選びたいものです。
このタイプは放射線治療中でも使えます。
グンゼの前空きブラは肌に優しくてお勧めです。
パット付きタンクトップ よくある一般的な商品でOK
病院に通うことがなければ、パット付きタンクトップでもいいです。
ユニクロなどにありそうな普通のパット付きタンクトップでも大丈夫です。
購入しやすさという点で使用の率が高いのではないでしょうか。
ただし、脱着がやや大変です。というのも手術後というのは身体が思うように動かなくて、なんとか着ることはできても脱ぎにくいことがあるので。
キャミソールは肩にかかる紐部分が細いので、肩にかかる部分は太いのがおすすめです。
手術直後は浮腫みやすいので、紐だとリンパ液の流れがせき止められることが気になります。
着物用ブラジャー やさしい着け心地
支えることはできませんが、肌に優しい素材の着物用ブラをお持ちならそれでも大丈夫です。
着物用ブラはレースが使われてたり化学繊維だったりするので、素材的には乳がん専用のブラには劣りますし、パットは入れられないかもしれませんが、間に合わせにはなるかと思います。
この期間は1ヶ月くらいと短い期間なので。
日本ならでは?おばあちゃんブラが良かったという声も
私は手術前に、木綿100%の「上げない寄せない」おばあちゃんのブラを買っておいて準備しておきました。
体験者からの情報で、おばあちゃん下着は素材が優しくて安いので良いということを聞いていたので。
柔らかくて肌触りがやさしく着心地は悪くありませんでした。
難点は乳首が響くのでアウターには注意。薄手の服は着れないことと、私が購入したもののせいか縫い目がやや痛かったです。
手術跡が落ち着いてからのブラジャー
だいたい1~2か月すると手術跡が落ち着くので、そのころから乳がん専用のブラジャーを着けることになります。
乳房のふくらみがあるときは気が付かなかったのですが、ふくらみがないとブラジャーは上にずれあがりやすくなります。
乳がん用のブラは胸にパットを入れるポケットがついていて、上にずれあがらないような造りをしています。
必ず試着を
新しいバストと付き合あうので、サイズがわからないことも多いでしょう。
なので試着は必ず行うようにしましょう。
取り寄せる商品であっても、試着のサービスをしていることが多いので、ぜひ利用しましょう。
重さ
胸のポケットにパットを入れることになりますが、全摘手術だと動いているうちにパットが上にずれあがることがあるので、シリコンパットを入れることが一般的です。
締め付け
わきのリンパ節を郭清(切除)した場合や,放射線治療後は,リンパの流れが悪いこともあるので,締め付けやくい込みがあるものは避けるべき。
乳房再建術を受ける場合
再建中に着用する下着について担当医から指示が出されることがありますので確認してみましょう。
ブラジャーに入れるパッドでボリュームアップ
乳房の形はそれぞれなので、パットの形も人によって違います。
シリコンパット
乳房の感触に似てるシリコンパットをブラジャーのポケットに入れて左右の乳房とのバランスを整えます。
手術前使ってたブラジャーを使いたい場合は、ポケットに入れるのではなく、肌に密着させるタイプのシリコンパットもあります。
オーダーメイドの人工乳房
オーダーメイドで人工乳房を作ることもできますが、高額なので作る人は少ないようです。
パットを組み合わせる
胸の大きさは左右で合わせないといけないし、形もそれぞれなので、ウレタン・スポンジ・ジェルなどを、自分の好みで組み合わせるパッドというものもあります。
手術直後はあまり胸を圧迫したくないので、この時期のパッドの中身はウレタンやスポンジのような柔らかい素材が良いです。
手作りパッド
パッドは自作もできます。
実は私もパットは自分で作ってます。
膨らみを出すために皆さんいろいろ工夫されているようですね。
こちらで詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。
ノーブラ
私は基本、家ではノーブラで過ごしています。
というのも、私はリンパ浮腫があるので、アンダーバストを締め付けられるとリンパの流れがせき止められるのか、手が浮腫むのです。
胸の形が気になる夏場はさすがにブラジャーは付けますが、それでも家にいるときはホックを外したりしてます。
手が浮腫むより胸が垂れるほうがマシだもの。
何か良い案ないでしょうか?
乳がん後のブラジャー 私が手作りブラパッド(乳房パッド)を作り出した理由
乳がん手術により、乳房を切除した人はそのままだと左右で形が違うので、ブラジャーの中にパッドを入れます。
全部の乳房を摘出した全摘手術の人は乳房全体の大きなもの、一部分を切除した乳房温存手術の人は切除した部分を補うサイズのもの、と、人によっていろいろです。
もちろん、オーダーメイドのパッドや市販のパッドもあるけど、手作りなら安上がりだし楽しいしで、多くのひとが手作りで乳房パッドを作られています。
そこで今回は手作りのブラパッド(乳房パッド)に注目してみました。
手作りブラパッド(乳房パッド)にしたきっかけ
ブラジャーの中に入れる詰め物なのだから、基本的になんでも良く、丸めたストッキングでもいらない端切れでもなんでも良いんです。
でも実際に使ってみると、ずっと使ってると寄れてきますし、上に持ち上がってしまい左右の乳房の形がちぐはぐになったり見苦しくなります。
シリコンパッドは蒸れるのが悩みどころ
ある程度は重さが必要なので、普通はシリコンのパッドを使う人が多いかと思います。
ところがこのシリコンパッドにも欠点がありまして、それは、蒸れるということと、お高いということ、手洗いが面倒くさいということ。
ホルモン療法でホットフラッシュがおそってくると、この蒸れというのは切実なんですよ。
- 蒸れる
- お高い
- 手洗いが面倒くさい
手造りブラパッドの良いところ
ならば、蒸れに強くて、安くて、気軽に洗えるブラパットということで「手作りしちゃえ」ということになりました。
手作りパッドの良いところはブラと一緒に洗濯機でガラガラ洗っても大丈夫なんですよ。
毎日使うものだから、ちょっとの手間でも違うんですよね。
中に入れるものは、蒸れるのが嫌ならビーズ、柔らかいのが良いなら綿やスポンジを使うなど、自分の好みで変えられるところがいいです。
乳房温存の場合は自分で満足のいく形のを作ることもできます。
- 中に詰めるものを自分好みにできる
- 安い
- 蒸れない
- 洗濯機で洗える
材料費だけでお安くできるので、傷んだら気軽に捨てられます。
家にあるものだけで作るならなんと、無料で作れてしまう!
毛で作ったの場合の費用
- 鍵針 100円
- 毛糸 100円(あまってる毛糸でOK)
- 詰め物 綿 100円 / スポンジ 100円 / ビーズ 100円
布で作ったの場合の費用
- はぎれ布 0~100円
- 糸 100円
- 詰め物 綿 100円 / スポンジ 100円 / ビーズ 100円
ブラパッドの作り方
「チアウーマン」というコミュニティサイトのメンバーによる「手作りおっぱい部」で、ブラパッド(乳房パッド)を紹介されていますのでご紹介いたします。
布で作るものと毛糸で作るものがあります。
どちらでもご自分の得意なものを選ばれると良いでしょう。
布で作る
まるでお手玉を作みたいに作れます。
いらないハンカチとかどこのご家庭でもありますよね、そんなものを利用すると良いかと思います。
毛糸で作る
毛糸でブラパッドを作る場合は、棒編みと鍵編みのどちらでも作れますが、棒編みは柔らかく、鍵編みは型崩れせずしっかり作れます。
手術後まもない時や、柔らかいのが好きなら棒編みが良いみたいですが、編み物が不得意な私には鍵編みが簡単でした。
動画ではお花の形を作ってますが、誰もみないものなので、ただの細編みだけでいけます。
編み図は「チアウーマン」のスタッフブログからダウンロードできるようになっています。
ブラパットの詰め物
ブラパットの中に詰めるものは以下のようなものを入れます。
単品でも組み合わせてもOK いらないタイツやストッキングに入れると良いと思います。
- ブラカップ
下着売り場にあるカップや、いらなくなったブラに入ってるものを利用
カップは形を作るために必要です - 綿
手芸綿
洗濯できるものや防菌・防臭加工が施されているものが理想 - スポンジ
台所用のスポンジ・低反発スポンジ
低反発スポンジはぺちゃんこになり、使っているうちにだんだんよれてしまうので長持ちしないけど感触は良かった - ウレタン
化粧用のパフ - ビーズ
ぬいぐるみ用の重さのある樹脂ビーズをストッキングや不織布など入れる - シリコン
乳がん用でない下着売り場にある小さいのでも - ジェル
アイスクリームを買うと付いてくるあれ - おはじき
重さが欲しい時に 直接皮膚にあたらないように包む
私も手作りブラパット派です
私はあんまりお裁縫は得意ではなく、ミシンも押入れから出してくるのが面倒なタイプです。
そんな私が作ったあまり自慢できない作品がこちら。
今回初めて作毛糸のパッドを、ちょうど靴下を編もうとして買っておいたダイソーの毛糸があったので、編んでみました。
ビーズは樹脂製のもので、ぬいぐるみの詰め物や園芸に使うものです。
手芸屋さんで895円で買いましたが、もっと安いのがあるかもしれません。
私は技術がないので、鍵編みの細編みだけで編みましたが、編み物が得意なひとはいろいろ楽しまれているようですね。器用なかたはなんと乳首の形も作ることができるみたいです。(どうやってやるんだろう?なくてもいいけど)
以上ざっくり紹介いたしましたが、決まり事はないので、創意工夫は使用する本人がすると良いかと思います。
乳がん後のブラジャー 乳がん歴9年めの「手抜き乳がんパッド」ご紹介
乳がんになると乳がん手術を経験することになります。
手術に種類に切除する大きさは異なりますが、全摘手術でも部分切除術でも切除した乳房を補うために、ブラジャーの中にパッドを入れて形を整える必要が出てきます。
私は2012に全摘手術をしたので、今年でもう9年目。
最初の頃は、乳がんの専門のブラにしなくちゃいけない、ブラパッドも市販のシリコンのものにしなくちゃいけないと、脅迫観念にかられていましたが、「そのうちそのうち」と言いながら何となく買わないまま過ごしてきました。
シリコン製のブラパットはお値段が高いうえに、それほど長持ちがするものではないという意見を聞きました。
使っているうちにシリコンが出てきてしまったりするみたいです。
私は生来の貧乏性のおかげで、自分用にはお金をかけない習慣があるもので、はじめから手作りパッドばかりで過ごしています。
編み物が好きなら楽しんで作れるでしょう。
ただ、私はあまり得意ではないので「編み物気分じゃない」というときはなかなか億劫です。
乳がん後のブラジャー カップを利用したすぐできちゃう手抜きパッド
パットに直接、詰め物を入れてはぎれで蓋をしちゃいます。
まあ、これが一番手軽だし正直「楽」です。左右で同じパッドなので形も揃いますしね。
これはブラじゃなくて、カップ付のブラですけどね(笑)
私はリンパ浮腫を発症しているので、ブラは締め付けると腕が浮腫む気がして、ブラトップか、シームレスブラにしていることが多いです。
ポツポツしているのは、中の詰め物が動かないように止めてあります。
これは中の詰め物によりますが、ずっと使ってると中の詰め物が寄れたり偏ったりするので、見た目はよくありませんがちょっと工夫しました。
カップの形が違いますがこういうのもあります。
こっちはシームレスブラ。内側から羽のようなカップを入れるタイプです。
最近はシームレスブラがあるので、リンパの流れをせき止めないので楽になりました。
手抜き乳がんパッドの作り方
材料は以下の通り。
【材料】
- カップ
- はぎれ
- キルト芯
- 針
- 縫い糸
- チャコペン
- 詰め物(綿・ビーズ・ストッキング・保冷剤…etc)
直接パッドで型を取ります
今回はキルト芯をはぎれ布に貼りました。布の厚さ次第でなくても大丈夫です。
写真のように直接パットを布に乗せて型を取ります。
(パッドは2つ作りましたので写真は2つ分になってます)
蓋をする布
布は柔らかい布なら何でも良いと思います。今回使った布は、昔使ってた布団布のはぎれ。
別にしなくても良かったかもしれませんが、生地が薄かったので裏にアイロンで接着するキルト芯を貼ってます。あればキルト芯を貼るとあたりが柔らかいです。
手縫いで適当にかがっていけばOK。超簡単です。
だって、ブラのポケットに入れるんだから見えないんだもん。(なんて適当なんでしょう)
詰め物用のビーズ(ペレット)を入れる場合
今回は中の詰め物がストッキングだったので手縫いで適当に縫えば良かったのですが、詰め物用のビーズ(ペレット)を入れる場合は、しっかりとミシンで縫わないと、洗濯の時に中から出てきてしまいます。私はそれで何度か洗濯機を壊しかけました(泣)
絶対に出てこないようにミシンがけして、さらにもう一度手縫いで縫えば完璧です。
「ミシンばあば」さんという方の動画が参考になるかと思いますのでご紹介します。
中に入れる詰め物
中に入れる詰め物は、その時に家にあるものを利用したりしています。今回は履かなくなったストッキングを入れてしまいました。
洗濯を繰り返しますので、寄らないもの、乾きやすいものがベターです。
スポンジは初めは感触は良いのですが、使っているうちにへたりますのであまり長持ちはしません。
冷凍食品についている保冷剤の小袋を捨てずに取っておいて、入れるというのもおすすめです。肉のような柔らかさで、適度な重みがあります。
使うときは布で包んで入れます。
割とポピュラーなのが、ぬいぐるみなどに使う詰め物用のビーズ(ペレット)です。
これだと重みがあるので身体の左右のバランスを取るのに良いです。それに軽いと着けていてずれてきてしまうので、多少重みが必要です。普通に洗濯もできますので衛生的にも〇です。
乳房温存の方向けの乳がんパッド
次は、乳房温存向けのパッドをご紹介します。
乳房温存用のパッドは形を自分の乳房の形に調整する必要があるので、全摘手術用の乳がんパッドより作るのがちょっと面倒なのかな?という気がします。
形を整えるパッドなので、この場合は詰め物は綿が良いみたいです。
市販の肩パッドを利用して2枚張り合わせたものをマジックテープやホックを利用して当てている人もいるみたい。
ブラトップのこと
最近はブラトップを着ていることが多いのですが、気になるのがアンダーバストのとこのゴム!
私はリンパ浮腫なので、リンパの流れをせき止めるものはどうも抵抗があります。なのであのゴムは切ってしまいます。
汗をかくとかぶれてチクチクするのも気になってしまって、あれはどうしても嫌いです。
できれば下の写真のようにアンダーバストにゴムのないブラトップが楽です。ただゴムがないというだけだと肩に負担がかかったり、胸が動く感じがするので、私的には身体にフィットするタイプが好みです。
そして肩紐もリンパの流れをせき止めないように、キャミソールのように細いヒモでないものを選んでいます。
乳がん後のブラジャー まとめ
乳がん歴9年めの、頑張ってない「手抜き乳がんパッド」のお話でした。あまり参考になることはなかったかもしれませんが(すみません)。
手作りパッドは、作るのがちょっと面倒かもしれないけど、何しろオーダーメイドだし、自分で調整して工夫できるのでそれが良い点ですね。
いろいろ試してご自分に合ったものを見つけてくださいね!
出典:
ちあうーまん
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