乳がんの抗がん剤治療:1クール目
乳がんの化学療法というのは実にさまざまな種類があるのですが、
私はTC療法というものをやりました。
TC療法はドセタキセル(商品名:タキソテール)とシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)という2つの薬を組み合わせて投与するもので、早期乳がんに対する標準的な治療の1つです。
【抗がん剤用の仕組み】
抗がん剤は体内に入ったあと、血液によって全身に運ばれ、がん細胞を攻撃します。ただ、正常な細胞も攻撃するのでこれが副作用として現れてきます。
副作用はそのつど、薬で対処しながら付き合っていきます。
乳がんの抗がん剤治療・TC療法(化学療法)のサイクル
ドセタキセルとシクロホスファミド2つの薬を静脈から点滴で3時間かけて投与します。
これを3週間ごとに4回繰り返します。
私は9/14から始めたので、最後の抗がん剤投与は11/16という計算です。
《初めての抗がん剤》
始めの抗がん剤投与は入院して行いました。
これは抗がん剤は初めて使うので、念のために入院でということでした。
《抗がん剤でほろ酔い気分》
昼すぎに入院して、抗がん剤を2種類点滴で投与してもらいました。
その一つのドセタキセルにアルコールが含まれています。
なので面白いことに途中でお酒を飲んだように気持ちよくなってしまうのです。
なので初めにアルコールは大丈夫かと薬剤師んさんに聞かれます。
私はお酒は弱くないのでもちろん大丈夫。
点滴の途中、ほろ酔いで気持ち良くなって眠ってしまいました。
お酒の弱い方はかなり酔ってしまいそうです。
うちの旦那だったら、下戸なのでこの薬は使えないだろうな。
アルコールなのでこの点滴を受けたあとは車は運転できません。
乳がんの抗がん剤治療:1クール目は無事終了
乳がん・抗がん剤治療、
だいたい3時間かけて点滴をするのですが、その間は看護師さんや薬剤師さんがやってきて、チェックや質問などをするので、そんなに長く感じません。
途中、鼻がつーんとすることがありました。
これは2クール目以降もありました。
点滴じたいは別に痛くもかゆくもありません。
あっという間に終わってその日はすることなし。
体調の変化もなし。
夕飯を食べ、寝て、朝食を食べたらもう退院です。
化学療法の副作用が出る前に髪を剃った
私がやった抗がん剤は髪は必ず抜けます。
なので、初めの点滴の翌日、帰宅した早々もう頭を丸めてしまいました。
というのも、抗がん剤で皮膚が弱くなるので、頭皮が元気なうちに剃ってしまおうと思ったのです。
ボウズ姿を早く見てみたかったので
バリカンは持ってないので、夫に頼んで電気髭剃りでつるっつるにしてもらい、初めて見る丸ボウズ姿に感慨無量になっていたところ、ネット情報でこれはちょっと気が早いということを知りました。
髪の毛が抜け始めるのは2週間後だった
しかしここで問題発生!
本当に髪の毛が抜け始めるのに2週間くらいかかるのですね!
なので、2週間無駄にツルツル頭で過ごす羽目になっていまいました。
まだらで汚い抜け方
しかもその間、ちょっと毛が伸びたので、いざ抜ける段になって後悔しました。
中途半端に生えてきた毛が抜けるものだから、まだらで大変汚い抜け方になってしまったのです。
抗がん剤って全部の髪の毛が抜けるのではないみたい。
まだらに抜けるの。なのでお坊さんみたいにつるつるにはならず、なんだか汚い頭になってしまいました。
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抗がん剤治療前の準備
初回のTC療法から2から3週間過ぎた頃より、髪の毛が抜けてきます。抜けはじめのころに頭皮がピリピリと痛むことがあります。脱毛は一時的なもので、治療が終了して2から3ヶ月で生え始めます。新しく生えてきた髪質が一時的に変わってしまうこともありますが、やがて以前の髪質に戻ってきます。
化学療法のための医療用カツラ
そのままでは寒いし(スキンヘッドって寒いんですね)見た方はぎょっとすると思うので、帽子は必須になります。
抗がん剤をすると医療用カツラのパンフをいただくので、そのカツラを付けるのが一般的です。
医療用ウィッグ
医療用ウィッグはファッションウィッグに比べ、「髪質が自然に見える」「ネットが柔らかい」「通気性が良い」など色々と工夫がされている物が多いようです。他にも頭皮部分も自然に見えるようになっていたり、地肌に直接かぶってもチクチクしないようにできています。
医療用ウィッグ(かつら)は人毛を使っていることが多くかなりお高いのは確かです。
帽子は帽子からはみ出た髪の毛がないと「いかにも抗がん剤で毛がない」印象になるため、はみ出た毛を付け毛してある帽子もあります。
医療用ケア帽子(ケアハット)がんCARE用品のことならキスマイライフ
化学療法開始後、カツラや帽子が必要に期間
抗がん剤をやめると髪の毛が伸びますが、満足する長さになるのに1年くらいはかかります。
私はカツラ(ウイッグ)は使わず、約1年弱の間ずっと帽子で乗り切りましたが、考えようによっては、この期間はいつもと違う髪型になるチャンスかもしれません。
普段ではできないヘアスタイルに挑戦しても良いかもしれませんよ。
つけまつげ
あと、まつ毛も抜けますので、ゴミが入らないように、つけまつげを用意してもいいですね。
もっとも自分のまつ毛がないと落ちちゃうのかな?
私はつけまつげは買っただけけで使いませんでしたが。
コスプレを楽しむ方も
抗がん剤の期間は苦しいイメージかもしれませんが、辛いのは一定期間だけで、それが過ぎると楽になります。
楽になった期間に普段とは違う自分を楽しんでみてはいかがでしょう。毛がない期間を味わうのも面白いもので、いろいろ楽しめます。
毛がないのでコスプレを楽しんでいる方もおられるようです。
抗がん剤で髪の毛がなくなるのをショックに思う方も多いかもしれませんが、抗がん剤が終わればまた毛は生えるのだし、スキンヘッドになるチャンスなんて早々ないものなのだから、このチャンスをいっそ楽しんでみてはいかがでしょうか。
髪の毛以外も抜ける
ちなみに髪の毛以外も全身の毛は抜けます。
抗がん剤を終えればまた生えてきますので心配は無用です。
ただし、もとと同じ毛質にはならないで、毛は細く縮れる傾向になるようです。
ムダ毛には悩まない
全身の体毛は薄くなり、ムダ毛処理は不要です。
眉毛は薄くなるのですっぴんでは極悪の人相になります(笑)。
次はいよいよ、抗がん剤2クール目
いろいろ出はじめてきた副作用についてです。
※写真はすべてイメージです
乳がんの抗がん剤治療:2クール目
私のやった”乳がんの抗がん剤治療・化学療法”はTC療法です。
2クール目で抗がん剤の副作用で食べ物の味がしなくなりました。
化学療法1クール目はあまりにも何もなくて、「なんだ、こんなものか、大したことないじゃん」と、高を括る私。
それが2クール目からは、本格的に副作用が出始めてきました。
化学療法の点滴から 当日~2日目
私の場合は、抗がん剤の点滴をしても、すぐに副作用が出るわけではありませんでした。
ただ、人によってはアレルギーが出る場合があるので注意です。
点滴をしている途中から(10分以内)に具合が悪くなる人もいるようです。
アレルギーの症状としては、息苦しさ、発疹、かゆみ、動悸、くしゃみなどです。
化学療法の点滴から 3日目
だいたい2日めの後半から突然怪しくなりました。
いきなり「お、来た」という感じで、スイッチが突然入って具合が悪くなりました。
これは何回やっても同じ、いきなり来るんですよ。
そうなると体調も悪くなります。
この時点で風邪で熱があるときに、身体に力が入らなくなるのと似てます。
身体を起こしているのもつらくて、無理をせずに横になることにしました。
3日目~5日目ばかりはどうにもならないので。
化学療法の点滴から 4日目
この日が具合が悪くなるピークです。
ここを境に徐々に体調は改善に向かっていくようで、その反面、副作用が出始めました。
副作用が出やすい場所
副作用は細胞の更新サイクルが早いところほど影響があるようです。
- 髪
- 爪
- 胃腸
- 皮膚
- 口の粘膜
毛のサイクルは早い
髪や爪もサイクルが早いので、副作用が出やすい箇所です。
だから毛がなくなるのですよね。
ちなみに髪の毛はこの時点では、ぽつぽつ残っているものの、ほとんど抜けました。
そうそう、抜けた毛穴が痛むのか、頭の皮膚がヒリヒリしています。
毛がないので、普通のシャンプーは使いません。
毛のための成分が必要がないので、私は石鹸シャンプーを使っていました。
吐き気
抗がん剤の副作用、1つ目は吐き気
消化器が熱くなってひりひりしだします。
例えていうなら、生姜と胡椒をたっぷり入れたスープをたくさん飲んだあとのような状態です。
なんとなく気持ち悪い状態
そのひりひりは食道から腸まで続いてる感じで、それが1週間くらい続きます。
なので初めは我慢できるけど、だんだん気持ち悪くなっていきます。
吐くほどの吐き気ではないものの、うすぼんやりとした気持ち悪さが続きます。
粘膜は細胞の更新サイクルが早いので薬の影響を受けるのでしょうか。
味覚の異常
抗がん剤の副作用2つ目は、味覚
ほぼ何を食べても味がしなくなりました。
舌の味蕾も細胞分裂が早く、サイクルが早めのところですので、抗がん剤の影響が出やすい箇所です。
醤油が一番不味かった
正確に言うと、
醤油はなんともいえない不味い味。
梅干しは甘い味。
他は何を食べても無味でした。
普段は和食等なのですが、あのときは和食は不味く感じて、とくにひじきの煮物なんて縄を食べているようだったし、さつま揚げは消しゴムみたいでした。
人によっては味の濃いものを食べやすいと感じる人もいるみたいですが、私の場合は、かえってただの茹でただけの大根とかが食べやすかったです。
味蕾に影響が出ているのが原因
抗がん剤で味蕾に影響が出ているのが原因でしょう。
60パーセントに何らかの味覚障害が起こると言われています。
ちなみに味がしないのは、抗がん剤投与後のだいたい4日間だけで、徐々に味が戻ってきます。
たかだか4日間の我慢なんですけど・・・。
洋食ならどうか
味蕾の数が人種によって違うということを聞きます。
アジア系の中国人とか日本人が一番多く、ラテン系、ゲルマン系、黒人の順に少ないと言われています。
ならば味蕾が少ない人種が食べているものならどうかと、西洋人の食べるようなものを食べてみたら、まさに的中。
パンとか、ポトフのようなものが美味しかったんです。
ただのゆでたジャガイモとかは美味しく食べられました。
果物や野菜のジュースも美味しく飲めました。
アレルギー
抗がん剤の副作用3つめは、アレルギー。
少し首や鎖骨あたりが痒くなりました。
これはアレルギーの症状ですので、あらかじめ病院から出されていた飲み薬「アレロック」と、軟膏の「リンデロンVG」という薬を塗ったら楽になりました。
便秘
抗がん剤の副作用4つ目は便秘
腸もまた影響が出やすいところなので、下痢又は便秘になると言われています。
予想して便秘薬を飲む
私の場合は便秘であろうと予測して、点滴以降、1週間はあらかじめ便を柔らかくする「酸化マグネシウム」を飲んでいました。
七転八倒
薬のせいで便は柔らかくなるけど、出ない状態になって、七転八倒することがありました。あれは辛かったなぁ。
だるさ・疲労感
抗がん剤の副作用5つ目は疲労感
化学療法2クール目からは、若干のだるさが出始めました。
でもまだ序の口です。
本格的にだるくなるのは、まだまだあとのことです。
手足に赤アザ
抗がん剤の副作用6つ目は赤アザ。
皮膚がひりひりして赤いアザになりました。
場所は手は薬指側の側面、足は外側のくるぶしあたりです。
実はこれは序奏にすぎない
この手足の皮膚の異常は、3クール目以降ものすごいことになります。
浮腫み
抗がん剤の副作用7つ目は浮腫み
手術をした方の脇の下(リンパ節)がはれぼったくなり、腕が浮腫みました。
心配になる
リンパ浮腫を疑いましたが、何日か後は鎮まるので、大丈夫みたいでした。
やはり抗がん剤のような強い薬を体内に入れるとリンパ節が張れるのでしょうか?
以上、化学療法2クール目はだいたいこんなところです。
出典:https://sites.google.com/site/jinntainosaiboukousinnsokudo/